バンドマンのみなさん、今日も元気にスタジオこもってますか?
音作りの迷路から帰ってこれてますか?
バンド活動って機材のこと考えてる時間がいちばん長かったりしますよね。
エフェクトボードの配線ちょっと変えただけで3時間消えたり…
いいセッティングできて1人でテンション上がったり…
でも、そんなあなたに伝えておきたいことがあります。
そのセッティングのほとんどは、じつはフロアにいるお客さんにはたぶん届いていないんですよね…。
バンド活動をしていると避けて通れないのが、「音」の問題です。
どれだけ自分たちで音作りをこだわっても、
高いエフェクターを買い集めて、アンプのセッティングを極めても、
つまり、「出音のコントロール権」は、こっちにはない。
ステージで鳴ってる“自分たちだけが聴いてる理想の音”と、
フロアで鳴ってる“お客さんが実際に聴いてる音”は、けっこう違うんです。
だからといって、絶望する必要はありません。
もちろん、いいSEさんに当たればラッキーです。
こちらの意図を汲み取って、いい感じに出してくれる人もいます。
でも現実は、
「知らないバンドには適当にやってる」
「自分の耳を信じて俺流で出す」
みたいなSEも、結構います。(ていうか、むしろそっちが多い)
ただ、こんなこともありました。
自分がまだベーシストとして活動していた頃、リハが終わったタイミングでSEの人から
「そのベースめっちゃいい音しますね」って声をかけられたことがありました。
他の人には特に言われたことがなかったので、
おそらくたまたまその人にはハマった音だったのでしょう。
たったそれだけの一言だったんですが、
それがきっかけでSEさんとの距離がグッと縮まって音の調整の相談もしやすくなりました。
実際、そのライブの録音を聴いたら、
自分でも納得できる出音になっていて、信頼感もかなり上がりました。
こういう「相性の良いSEさん」に出会えると、ライブの満足度がガラッと変わるんですよね。
でも…やっぱりこれは「運」な部分もあります。
音質より「伝わる演奏」と「魅せる力」を磨け。
だからこそ、バンドマンとして意識すべきなのは、「お客さんにどう届くか」という視点です。
音質にこだわるのは素晴らしいことだし、機材沼にハマるのも音楽の楽しさの一つではあります。
でも、ライブというのは“体験”です。
音の解像度より、演奏のグルーヴやステージ上の熱量、表情やパフォーマンスの方が、お客さんにはダイレクトに伝わります。
実際、音が多少ガチャガチャしてても、グッと引き込まれるバンドってたくさんいます。
むしろ、「音が良い」って感じるときって、演奏や歌が良いからなんですよね。
お客さんが「今日の音、良かったな〜」って思うとき、
それは音質の良し悪しじゃなくて、演奏そのものの説得力に引っ張られていることが多いです。
もちろん、セッティングした音を忠実にお客さんに届けたい、という気持ちもあるはずです。
それを完全に捨てろ、という話ではありません。
これはあくまでも優先順位の話です。
例えば、SEも自分たちで担当したり、専属スタッフを雇って理想の音を届けるには、お金や人材が必要になりますよね。
それを実現するためにも、まずは「伝わる演奏」や「魅せる力」を磨いて、バンドとしての魅力や影響力を高めることが先だと私は考えてます。
音作りへのこだわりは、その土台の上にどんどん積み重ねていけばいい。
「今すぐ理想の音を再現できなくても、伝わる演奏ができれば十分戦える」という視点を持ってみるのもいいかもしれません。
そしてもう一つ、忘れてはいけないのが“照明”のこと。
正直言って、ライブハウスの照明センスにはあまり期待しない方がいいです。
リハで「ここで赤→青に変えてください」とか、
「サビでフラッシュ入れてください」みたいに細かくお願いしても、思った通りになることは稀です。
照明さんに熱量があるならまだしも、「適当にプリセット当ててるだけ」ってパターンも多い。
むしろ、「何もしない」「真っ暗の中で始める」「自分たちで照明を持ち込む」ぐらいの方が、結果的に印象に残ることもあります。
環境は変えられない。変えられるのは、自分のステージだけなんです。
音も照明も、ライブハウス側の人間に握られている部分が多くて、演者側が完全にコントロールするのは難しい。
でも、そこで腐っていても仕方ないんです。
自分たちがやるべきは、「どんな環境でも伝わる演奏をすること」。
SEのクセや照明のセンスに左右されないぐらい、強いパフォーマンス力を持つこと。
それが、ライブハウスで戦うバンドに求められる力だと思います。
前述のように、たまに奇跡的に「最高のSEと照明さん」に出会えることもあるけど、それを期待してはいけない…。
期待しないで、それでもブチ上げられるバンド。
それが本当に“強いバンド”なんだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(書いてたらまたバンドやりたくなってきた…)

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